元マンU監督ファーガソン氏、規律を重んじ過ぎて「優勝逃した」
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【9月6日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)で、監督として数々の栄光を勝ち取ったアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)氏が、今月発売される最新著作のなかで、あまりにも厳格に規律を求めすぎたかもしれないと認めている。
ユナイテッドを率いた27年で、並外れた栄光を勝ち取ってきたファーガソン氏は、9月22日に刊行される新作『Leading』の中で、別のやり方をしていれば、さらに多くのタイトルを獲得できていたかもしれないと話している。
クラブに13回のリーグ優勝などをもたらしたファーガソン氏だが、同氏の政権では同時に、ポール・インス(Paul Ince)氏、デビッド・ベッカム(David Beckham)氏、ロイ・キーン(Roy Keane)氏、ヤープ・スタム(Jaap Stam)氏、ルート・ファンニステルローイ(Ruud van Nistelrooy)氏など、実績十分の選手たちとファーガソン氏との確執が表面化し、その結果、主力選手が同氏の下を離れていった。
この点について、ファーガソン氏は新作のなかで、「指揮官には、鞭を振るう機会が存分に訪れる。だからこそ、振るう瞬間はしっかり吟味しなくてはならない。全員がメッセージを受け取る前に、やたらと罰を与えてはならないのだ」と話した。
「私は何よりも規律を重んじる。その姿勢のせいで、いくつかのタイトルを逃してきたのかもしれない。しかし、もう一度同じ場面に直面したら、私はまったく同じ行動を取るだろう。なぜなら、規律はほかのすべてに先立つべきであるからだ」
スコットランドのクラブ、アバディーンFC(Aberdeen FC)でスコットランドリーグや欧州カップ戦での実績を残した後、ユナイテッドへやって来たファーガソン氏は、1994-95シーズンにインスと激しく衝突し、シーズン無冠に終わると、同選手に「尻すぼみ」で「口先だけの男」というレッテルを貼った。
また、こちらも無冠に終わった2001-02シーズンには、スタムが発表した自伝の内容にファーガソン氏が怒り、これが同選手のシーズン途中での退団につながったといわれている。
スタムは自伝で、ファーガソン氏が違法な手段を使って、自身をPSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)から引き抜いたと明かした。するとこれに激怒したファーガソン氏は、3シーズンにわたって守備の要だったスタムを売却し、当時35歳のローラン・ブラン(Laurent Blanc)を獲得した。
リーグ戦でチェルシー(Chelsea)の後塵を拝した2005-06シーズンには、キーンとファン・ニステルローイが監督の不興を買った。
キーンについては、クラブの公式TVチャンネルが行ったインタビューで、チームメートを酷評したことがファーガソン氏の逆鱗に触れ、クラブを追われた。
そしてファン・ニステルローイは、リーグカップ決勝で起用しない旨を言い渡されたことに腹を立て、ファーガソン氏を批判。するとその後はわずか5試合しか先発で起用されず、ユナイテッドでも得点を量産した点取り屋は、結局スペインの強豪レアル・マドリード(Real Madrid)へ売り渡された。(c)AFP