【9月3日 AFP】スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督らが代表を務める映画製作会社ドリームワークス(DreamWorks)が、米ディズニー(Disney)との配給契約を更新をしない方針であることが2日、業界情報筋の話で明らかになった。2009年に始まったディズニーとの契約は、2016年8月16日に満了する。

 一部情報によると、スピルバーグ監督が制作責任者を務めた映画『ジュラシック・ワールド(Jurassic World)』の大ヒットを受けて、スピルバーグ監督がより有利な条件で新たな提携先との交渉を模索していることが示唆されているという。

 米誌バラエティー(Variety)と米芸能情報紙ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)は、同映画の配給を手がけてきた米ユニバーサル・スタジオ(Universal Studios)が、スピルバーグ監督の新たな「ホーム」となる可能性があるとしている。

 ただ、同情報筋がAFPに語ったところによれば、ドリームワークスは、映画『スターウォーズ(Star Wars)』の新たな3部作や、ディズニーの子会社ピクサー・アニメーション・スタジオ(Pixar)による大ヒットアニメーション映画『インサイド・ヘッド(Inside Out)』など、大規模で多額の収益をもたらす作品のみを重要視するディズニーの方針に同意できないでいるという。スピルバーグ監督は、1994年のドリームワークス設立に関わった。

 近年、米映画スタジオ「マーベル・スタジオズ(Marvel Studios)」やルーカスフィルム(Lucasfilm)、ピクサーを買収してきたことからも裏付けられるように、ディズニーが重要視しているのは、大きな収益をもたらすビデオゲームやテーマパーク、キャラクターグッズなどのビジネス展開が可能な映画だ。

 一方のドリームワークスは、映画『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~(The Help)』や、女優ヘレン・ミレン(Helen Mirren)が主演した『マダム・マロリーと魔法のスパイス(The Hundred Foot Journey)』など、大人向けの小規模な作品に重点を置いている。

 現行の契約下での最後の配給作品は、2016年7月1日に公開予定の、英児童作家ロアルド・ダール(Roald Dahl)氏の小説を映画化したスピルバーグ監督による映画『The BFG』となる予定。(c)AFP