【9月1日 AFP】4年にわたり内戦が続くシリアの政府は8月31日、戦火が近づく首都ダマスカス(Damascus)で、北朝鮮の「建国の父」である故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席をたたえる公園の落成式を行った。

 落成式が行われたのは、ダマスカス南西部のカファルスーサ(Kafr Sousa)地区で、広さ9000平方メートルの公園は、家屋などを解体し整地したその跡地に設置された。

 落成式にはファイサル・ミクダド(Faisal Moqdad)外務副大臣が出席した。落成式の前日には、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の戦闘員らがダマスカス南部の地区まで近づき、シリアの反体制派勢力と戦闘を繰り広げた。

 人権団体からは「残虐な独裁者」とも形容される金主席を、ミクダド氏は「自国の解放と建国に尽力したことで知られる歴史的な統治者であり指導者」と呼び、「この理由により、金氏はシリアでもたたえるに値する」と述べた。

 金氏に対しては国際的な批判もあるとする質問に対してミクダド氏は、「(金氏を)非難する者は誰であってもばかげており愚かだ」とAFPに述べた。

 さらにミクダド氏は、「テロに対する取り組みでシリアを支持している」として北朝鮮を称賛した。シリア政府は、非暴力的な活動家であろうとイスラム過激派であろうと、反体制の姿勢を示す者は全員「テロリスト」と呼んでいる。

 北朝鮮の駐シリア大使、チャン・ミョン、(Jang Myong)氏はこの公園を、「偉大なる指導者金日成国家主席に対し、シリア政府や国民が抱いている尊敬の念と愛情の表現」だとした。また同氏はシリア内戦について、「米国の陰謀と策略の結果だ…正当かつ独立した政権を退陣させ、中東で独占権を行使するのが狙いだ」と語った。(c)AFP