■ISの残虐動画でも同様の議論

 フランス通信(Agence France-PresseAFP)のフィル・シェトウィンド(Phil Chetwynd)編集長は、今回の銃撃犯が撮影した画像や動画は「事実上、銃撃犯のプロパガンダ(宣伝)声明」にあたると判断し、慎重に取り扱う方針を決めたと語る。

「われわれは最終的に、この動画から取得した2枚の静止画をクライアントに配信することに決めた」「無防備なジャーナリストに銃口が向けられている、驚きを与えるような画像は含めたが、実際の銃撃やその後の様子を写した画像は一切出していない。また、クライアントに動画は一切送っていない」

 AFP社内では、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」による「処刑」場面を写した動画の使用をめぐり同様の議論を行ったことがあり、その際には「こうした生々しく暴力的な映像に対し、非常に高い制限を設けた」とシェトウィンド編集長は語る。

「報道に値する大きなニュース的価値がある必要がある。暴力的なプロパガンダを扇情的に取り上げないという責任が、われわれにあるということに留意しなければならない」

 ニューヨーク・デーリー・ニューズは、画像を掲載したのは、こうした暴力事件の衝撃の強さを読者に理解してもらうためだったとしている。同紙は、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙に宛てた声明で、「人々がこうした無分別な暴力にたやすく慣れてしまうこの時代に、ソーシャルメディアに投稿するために殺人を犯しながらその様子を撮影していた狂気の男が引き起こしたロアノーク(Roanoke)の事件を、ありのままに伝える」ことが目的だったとしている。(c)AFP/Rob Lever