ミツバチにマイクロセンサー装着、大量死問題解明の一助に
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【8月25日 AFP】オーストラリアの科学者らは25日、世界中でミツバチの個体数が減少していることを受け、主な要因の解明を目指す世界的な活動の一環として、ミツバチにマイクロセンサーを装着する計画を明らかにした。
世界の植物の70%、また人間が食べる野菜や果物の3分の1の授粉を行っているのはミツバチで、昨今の急激な個体数の減少は、食糧安全保障に懸念を引き起こしている。
研究者らはミツバチ減少の原因として、「蜂群崩壊症候群」として知られるコロニーの成虫の大量突然死や、バロアと呼ばれる吸血寄生ダニ、農薬、気候の変化などの脅威を挙げている。
オーストラリア連邦科学産業研究機構(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation、CSIRO)のゲーリー・フィット(Gary Fitt)氏はAFPに対し「マイクロセンサーを使用することで、自然環境下と巣の中の両方でのハチの行動を数値化できるようになり、以前は生じえなかった問いを持ち、解明する手掛かりになる」と語った。
マイクロセンサーは2.5ミリ四方の大きさで、重さ5.4ミリグラムとミツバチが集める花粉よりも軽く、セイヨウミツバチの背中に装着される。また、最先端のデータ収集用受信装置もミツバチの巣に設置される。
CSIROは米半導体大手インテル(Intel)と日本の日立製作所(Hitachi)と協力し、グローバルパターン特定のためのセンサー技術やデータ分析への無料アクセスを提供している。(c)AFP