【8月25日 AFP】(記事更新)インディカーのレース中に頭部を負傷したジャスティン・ウィルソン(Justin Wilson、英国)が、一夜明けた24日に死亡した。37歳だった。

 モータースポーツ界は悲しみにくれ、安全対策を見直すべきだとの声が高まっている。

 ウィルソンは23日、「トリッキー・トライアングル(Tricky Triangle)」と呼ばれる米ペンシルベニア(Pennsylvania)州のコースで、終盤にクラッシュを起こした選手のマシンの破片が頭部に当たり重傷を負った。

 意識不明となったウィルソンは、アレンタウン(Allentown)のリーハイバレー・ヘルスネットワーク・セダークレスト病院(Lehigh Valley Health Network Cedar Crest Hospital)に搬送され、家族や友人が見守る中、24日に息を引き取った。

 インディカーシリーズの親会社ヒューマン&カンパニー(Hulman & Company)のマーク・マイルズ(Mark Miles)最高経営責任者(CEO)は、「インディカーとモータースポーツ界にとって、大変悲しい日になった」とコメントしている。

「ジャスティンは、たぐいまれなドライビングテクニックを持つだけでなく、その優しさや人間性、謙虚な姿勢が、パドックで尊敬を集めていた」

「モータースポーツは一つの大きな家族だ。われわれが努力し、前進することによって、想像もできないくらい難しい時期を乗り越えなければならない遺族の助けになれば良いと思う」

 ウィルソンの所属チームだったアンドレッティ・オートスポーツ(Andretti Autosport)も、「素晴らしいレーサーで、チームの価値あるメンバーだった」と故人をしのんだ。

「ジャスティン・ウィルソンが亡くなったと聞き、悲しみにくれています」

「ジャスティンと過ごした時間は短いですが、彼は一瞬でアンドレッティの一員になりました」

「われわれの気持ちは、ウィルソンの家族と、世界中のファンと共にあります」

 この事故では、クラッシュしたセージ・カラム(Sage Karam)のマシンの破片とみられるものが、ウィルソンの頭部に直撃した。

 ウィルソンは即座に病院へ搬送されたものの、意識を取り戻すことはなかった。

 2004年にチャンプカー参戦を果たしたウィルソンは、その後、主戦場をインディカーに移し、両シリーズ合わせて7勝を挙げていた。(c)AFP