【8月25日 AFP】アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相とフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は24日、ドイツのベルリン(Berlin)で会談し、欧州が直面する第2次世界大戦(World War II)以降最大といわれる難民危機に対し一致団結した対応を呼び掛けた。

 ドイツ政府は今年80万人の亡命希望者が同国に到着すると見込んでいるが、国内では反移民感情が高まっている。先週末には東部で、新たな難民受け入れ施設の開設をめぐり、極右のデモ隊と警察が2夜にわたり衝突する騒ぎがあった。メルケル首相は、「極右過激派やネオナチが空虚で憎しみに満ちたプロパガンダを広めようとしているのは下劣だ。だが、子ども連れでデモに参加する市民も恥を知るべきだ」と、これまでで最も痛烈な言葉で非難した。

 一方、オランド大統領は会談の前に短い声明を出し、事態が長期化する可能性に触れつつ「亡命する権利に対し、われわれは統一したシステムを導入しなければならない」と述べた。

 両首脳は、難民が殺到しているギリシャとイタリアにEUが管理する一時受け入れ施設を設置し、EUへの移住を希望する人々の窓口として年内に稼働させる方針でも一致した。

 また、独首相報道官によるとメルケル首相は27日にオーストリア・ウィーン(Vienna)でバルカン(Balkan)半島諸国の指導者らと会談し、東欧を経由してEUに難民が流入している問題について協議する。

 欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス、Frontex)は先週、今年7月にEU入りした難民や移民は近年最多の10万7500人に上ったと発表している。(c)AFP