【8月20日 AFP】セネガルの伝統的リズムを現代に生かした打楽器奏者で「人間国宝」のドゥードゥー・ンジャイ・ローズ(Doudou Ndiaye Rose)さん(85)が19日、首都ダカール(Dakar)の病院で死去した。ローズさんのおいがAFPの取材に対し明らかにした。

 しばしば「リズムの数学者」と呼ばれた同氏は、自らの子どもや孫などで編成されたオーケストラを指揮して、伝統的なビートの複雑なメドレーを演奏。アフリカで最も有名な音楽家の一人だった。

 1930年7月28日、芸能者の家系「グリオ」に生まれた。ダカール中心部で過ごした子ども時代に聞いた、結婚式や洗礼式、割礼式で演奏される打楽器の音がその後の人生を決定づけた。配管工として働いていた時に当時セネガル有数の打楽器奏者だったマダ・セック(Mada Seck)氏と出会い、同氏のグループに加入。セック氏がコートジボワールに経つ際に楽器とグループを引き継ぐよう言われた。

 ローズさんが「100以上の異なるリズム」を習得したのを知った長老たちは、同氏に「最優秀ドラム楽長」の称号を贈った。

 1959年にアフリカ系米国人歌手ジョセフィン・ベイカー(Josephine Baker)さんに招かれ共演して以来、米国ジャズの伝説的トランペッター、マイルス・デイビス(Miles Davis)さんや英ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」、またピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)、日本のパーカッション奏者らと共演した。

 2006年には国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の無形文化財に認定された。(c)AFP