【8月18日 AFP】スマホを片時も手放すことのできない人が多いといわれるアジアの国々では、グループデートのメンバーを募集したり、恋愛を進展させるための「付き添い役」を派遣したりするデートアプリが続々と登場している──。

 欧米地域で主流のデートアプリは、「1対1」のマッチングを目的としたものが多く、中にはいわゆる「一夜限り」の関係を求めるユーザーも少なくない。これとは対照的に、アジアの一部の国では、保守的な恋愛や友達探しを目的としたものが人気となっている。このような国では、バーで見知らぬ人とデートすることすらタブー視されることもある。

 フィリピンで2013年にデートアプリ「Peekawoo」を立ち上げたバレニス・バラスさん(26)は、「私は、両親の若い頃と同じように育てられた。宗教を重んじた伝統的、古風なやり方で。親が知らない相手ならデートなんてできない。大学生の時でさえ、デートの時はいつも小さな妹が一緒だった」と話す。

 デートしても恥ずかしくて相手の目も見ることができなかったという彼女は、米国発の出会い系アプリ「ティンダー(Tinder)」に似たデートアプリを試してみた。数千万人のユーザーを抱えるティンダーでは、候補となる相手の写真がスクリーンに表示され、利用者は相手を見て、気に入ったか、そうでないかを瞬時に判断する仕組みになっている。

 バラスさんはある男性と初めてオンラインチャットをした際、その男性から家に遊びに行くよと言われた。そのとき初めて、従来のアプリが自分に向いていないことに気がついたという。こうした自身の経験を生かして立ち上げた「Peekawoo」は、複数人数でのデートを提案するほか、希望があればデートでの付き添いサービスも用意する。現在では7000人前後のユーザーを集め、グループデートの企画も始めたという。

 これは、6人のグループデートをセッティングするアプリ「Grouvly」と同様のモデルとなっている。このアプリは2015年1月に香港(Hong Kong)で誕生した。