【8月18日 AFP】フランス南東部セシュー(Cessieu)在住のマクサンス(Maxence)君(6)は、生まれつき右手が不自由だった。そんなマクサンス君が17日、スーパーヒーローの「手」をもらい受けた。近年、3Dプリント技術を利用した義肢の製作が広がっている。

 母親のビルジニー(Virginie)さんは「スーパーヒーローみたいな手をもらうんですよ、色は息子が選びました。好きな時に外すこともできます」「校庭で友達と楽しく遊べるでしょうね」と話した。

 マクサンス君の義手は、米財団「e-NABLE」を通じて提供された。同団体は2013年から、3Dプリンターの所有者と、指や手の不自由な子どもたちがいる家庭を結び付ける活動などに取り組んでいる。

 同財団を通じ、これまでに1500以上の義肢が提供されてきたが、フランスへの提供はマクサンス君が初めて。

 この義手は、グローブのようにはめ、マジックテープで留めて使用する。製作費は50ユーロ(約6900円)未満で、子どもの成長に合わせてより大きいサイズのものと簡単に交換可能だ。

 この義手はマクサンス君のように、手首と手のひらのある子ども向けにデザインされている。外科手術は不要で、装着して手首を曲げると物をつかむことができる。

 靴ひもを結ぶといった細かい作業はできないが、ブランコやキックスケーターに乗るといったことができるようになる。

 この義手製作にボランティアで携わったティエリー・オキダム(Thierry Oquidam)さんはその長所として、医療用の義手をはめているというよりも、子どもの利用者がコスチュームでおめかししているような気分になれるという「楽しい」面にあるとしている。

 仏保健当局はこれまでのところ、マクサンス君が得たような義肢については試験も承認も行っていない。それでも支持者らの思いがそがれることはなかった。(c)AFP