【8月18日 AFP】細い頭と長い足のおかげで、グレーハウンドの足の速さは犬の中でもトップクラスだ。このため、スペインで「ガルゴ」と呼ばれるグレーハウンドは、野ウサギ狩りをする同国のハンターたちによく飼われている。しかし動物愛護団体などによると、特に歳をとって狩りができなくなったスペインのグレーハウンドたちは、大切にされるどころか虐げられているという。

 スペインはグレーハウンドを使った猟を欧州で今も許可している数少ない国の一つだ。例えば、フランスではグレーハウンドを使う猟は、1844年に禁止された。スペイン治安警察の中で狩猟と自然保護を管轄する部門セプロナ(Seprona)の広報は「家庭犬は可愛がり世話をする対象だが、ハンターたちにとって犬は狩りのための道具にすぎない」と説明する。

 ハンターたちは少なくとも10匹のグレーハウンドを飼っている。中には長いロープでグレーハウンドをつないだ車を時速60キロで走らせ、狩りの訓練をさせる者もいるが、飼い主に対する罰則は刑法ではなく条例の範疇で、しかも犬が重傷を負ったり死んだりしない限り飼い主は罰せられない。

 スペインのグレーハウンド愛護団体「SOSガルゴス(SOS Galgos)」や「ガルゴス・デル・スル(Galgos del Sur)」の推計によると、同国では毎年15万匹の動物が捨てられており、そのうち3分の1がグレーハウンドだという。捨てられたグレーハウンドたちの多くは自治体の犬舎で安楽死させられる。別の愛護団体「ガルゴス・エン・ファミリア(Galgos en Familia)」によれば、中には飼い主に溺れさせられたり、首を絞められたりして殺されるグレーハウンドさえいる。また次の狩猟シーズンまでグレーハウンドを預かる犬舎の中には、衛生状態がひどく、水や餌も満足に与えない条例違反の業者も多い。

 こうした中、動物保護団体「PACMA」は、南部アンダルシア(Andalucia)州マラガ(Malaga)県で違法犬舎を訴え、業者に罰金を支払わせた。また同県周辺ではSOSガルゴスら複数の愛護団体が、グレーハウンドのために保護施設の運営や里親探しを始めている。(c)AFP/Ingrid BAZINET