【8月25日 AFP】地下深くから巨大なベルトコンベヤーが岩を地上に運んでいる。33歳で2人の子供がいるバーニス・モチロア(Bernice Motsieloa)さんは、南アフリカのマッチョな鉱山文化に静かな変革をもたらしている改革の旗手だ。

 モチロアさんは鉱業大手アングロ・アメリカン・プラチナム(Anglo American Platinum)のバソペレ(Bathopele)プラチナ鉱山で労働者のシフトを監督している。伝統的に男性が大多数を占めるこの危険な環境で雇用されている、数千人の女性のうちの一人だ。

 アパルトヘイト時代は女性が地下で働くことは禁止されていたが、1996年に解禁された。現在、鉱山労働者に占める女性の割合は政府目標の10%を上回る15%に達している。

 だがセクシュアルハラスメントの訴えは多く、引退した労働者たちによれば、女性は男性の同僚の性的な欲求に応えなくてはならないというプレッシャーにさらされているという。

 モチロアさんは2002年に初めてこの仕事に就いて以来、身体的な暴力を受けたことはないが、言葉の虐待には耐えてきたと語る。「ひどかった。『ここはおまえたちの来る場所じゃない』と言ってくる男性の同僚たちに、おおっぴらにののしられた」

「最初は耐えきれずに辞めたいと思った。私たちは、女性と一緒に働くことに慣れていない男性たちに耐えなければならなかった」と彼女は言う。

 バソペレ鉱山から数キロの場所にあるアングロ・アメリカン・プラチナムの別の鉱山で2012年、女性の労働者がレイプされ殺害された。血の付いた石が彼女の遺体の横に置かれていた。4か月余り前にも、同社の別の鉱山の更衣室で女性がレイプされた。