【8月17日 AFP】同性カップルにウエディングケーキを販売しなかったのは州法が禁止する差別に当たるとして、このカップルが洋菓子店を相手取り起こしていた訴訟で、米コロラド(Colorado)州高裁は先週、洋菓子店は、宗教的信条に背くという理由で同性カップルへの販売を拒否することはできないとし、原告の訴えを認める判決を言い渡した。

 米国では6月、連邦最高裁が全米で同性婚を認める判決を下している。今回敗訴したマスターピース・ケーキショップ(Masterpiece Cakeshop)だけでなく、米国では最近、同性カップルから差別で訴えられて敗訴する企業が増えている。とはいえ、現在も全米50州のうち29州が性的指向に基づく差別を禁止していないため、半数以上のこうした州の企業は、同性愛者の顧客を拒否することが今もなお法的に認められている。

 今回の訴訟で原告のチャーリー・クレイグさんとデビッド・マリンズさんは、2012年に洋菓子職人のジャック・フィリップスさんが宗教的信条を理由にケーキの製造を拒否したことを受け、コロラド州の差別禁止法に基づき訴えを起こした。コロラド州では当時、同性婚は認められていなかったが、性的指向による差別はすでに禁じられていた。

 フィリップスさん側は、同性カップルにウエディングケーキを作ることを強いられるのは、信教の自由と言論の自由を侵害していると主張していた。だが州高裁は、66ページの判決文で、法律順守を求めることは、本人が同意しないことを「支持」するよう強要するのとは異なると述べた。

 先月にはオレゴン(Oregon)州の洋菓子店が、2013年に同性婚のためのケーキ作成を拒否したとして訴えられた訴訟で、賠償金13万5000ドル(約1700万円)の支払いを命じられていた。(c)AFP