■色白を好む社会的要因も

 女性たちが美白に走る背景には、色白女性を良しとするコートジボワール社会――特に男性――からの圧力があるとの見方もある。美白製品を4年間も使い続けているという女性は「男たちが女性を美白へと追い込んでいる」と語った。

 レイモンド・グドゥコフィ(Raymonde Goudou Coffie)保健相もこの見方に同意する。保健相はAFPの取材に、コートジボワールの男性は「暗い夜でも輝くような女性」が大好きだからと述べた。

 美白製品を禁止する新法の違反者には83~585ドル(約1万~7万2000円)の罰金が科せられる。だが施行から3か月を経てもビューティーサロンは相変わらず美白製品を広告している。

 政府は新法を徹底するため国家評価・販売承認委員会を設置した。だが最大の障害は、コートジボワール国民の伝統的な美の基準概念だろう。アビジャンの市内には、色白の女性モデルを前面に出した広告があふれている。

 エクラ教授は政府の取り組みを評価しながらも、現状は見かけ倒しに終わっていると指摘する。「国営テレビで私たちが目にするのは、禁止された製品を使用している女性たちなのだから」(c)AFP/Christophe KOFFI