【8月6日 AFP】フランス政府は5日、ロシア向けにミストラル(Mistral)級強襲揚陸艦2隻を建造する契約の破棄についてロシア側と合意したと発表した。売却契約の破棄をめぐり1か月におよんだ仏露の交渉はこれで決着した。

 仏政府は2011年、ミストラル級強襲揚陸艦2隻を総額12億ユーロ(約1600億円)で納入する契約をロシアと結んだが、ウクライナでのロシアのクリミア(Crimea)半島併合や反政権派支援をめぐり西側諸国がロシアへの経済制裁を科したことから、昨年に納入の凍結を宣言していた。

 仏大統領府の発表によると、フランス側は揚陸艦2隻分の代金全額をロシア側に払い戻し、建造した揚陸艦はそのままフランスが保有する。一方、揚陸艦に搭載済みだったロシアの機材はすべてロシア側に返還する。

 一方のロシア政府も、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領の電話会談の後に発表した声明で、フランスは既に代金の払い戻しを済ませており、同問題は収束したとの見方を示している。(c)AFP/Marianne BARRIAUX