【8月5日 AFP】欧州を目指し地中海(Mediterranean Sea)を渡ろうとして死亡した難民や移民希望者の数が今年はすでに2000人を超えたことが、国際移住機関(International Organization for MigrationIOM)が4日発表したデータで明らかになった。

 IOMによると、地中海を渡ろうとして救助された人の数は今年に入って18万8000人に上り、今週末にも20万人を超える可能性があるという。昨年の7月末までの死者は約1600人だった。

 粗末な船に乗ったり密航業者の手引きを受けたりして地中海を生きて渡った難民のほぼ全員がイタリア(9万7000人)またはギリシャ(9万500人)に到達していると、IOMは明かしている。

 IOM報道官によると、リビアからイタリアに向かういわゆる地中海中央ルートでは、今年に入ってこれまでに1930人以上の犠牲者が出ており、これに対しギリシャへ向かうルートでの死者は約60人だという。

 ギリシャ行きの東側のルートの方が距離が短いのに加え、IOMは、イタリアへ向かうルートでは密航業者らが航行に不適切な船を使う傾向にあり、犠牲者が増える一因になっているとみている。

 IOMは最新の数字から、地中海経由が「より良い生活を夢見る難民や移民希望者にとって、最大の命の危険をはらんだルート」になっていることが改めて確認され、さらに状況はいっそう悪化していると警鐘を鳴らした。(c)AFP/Nina LARSON