【8月4日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の報道官が推定62万ドル(約7700万円)の時計をした写真が3日、経済危機に見舞われているロシア国内で騒動を巻き起こした。

 騒ぎの主はドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官。黒海(Black Sea)に面したリゾート地ソチ(Sochi)で1日に行われた、トリノ冬季五輪のフィギュアスケート・アイスダンスの金メダリスト、タチアナ・ナフカ(Tatiana Navka)さんとの結婚式で、高価な時計をしている姿を写真に撮られた。

 華美な祝宴の写真が公表される否や、報道官の手首に光るゴールドの骸骨付き黒い腕時計が物議の的になった。

 汚職問題を追及する、ロシア野党勢力のカリスマ的指導者であるアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は、この時計がスイスの高級腕時計ブランド、 リシャール・ミル(Richard Mille)社製の限定品だと特定。自身のブログに、リシャール・ミル社からのメールを引用して、時計の値段は少なくとも62万ドルだと書き込んだ。

 ナワリヌイ氏は「花婿の時計はあなたのアパートより高い」とタイトル付けた調査書を発表し、報道官がロレックス(Rolex)やオメガ(Omega)など他の高級腕時計をしている写真も掲載した。

 ロシアの汚職摘発者らは、公表されている給与だけでは到底購入不可能とみられる超高級腕時計をしている高官らに常に目を付けている。

 ペスコフ報道官の公表年収は約14万5000ドル(約1800万円)だが、時計はフィギュアスケーターの妻からのプレゼントだと騒ぎを一蹴。妻もこれを認め、日刊紙コムソモリスカヤ・プラウダ(Komsomolskaya Pravda)に「私には素敵なプレゼントを贈る余裕がある」と語った。

 夫妻の結婚式には、ロシアのポップスターやスポーツ選手が出席。プーチン大統領も招待されていたはずだが、その姿は写真に写っていなかった。(c)AFP