【7月31日 AFP】韓国の鄭夢準(Mong-Joon Chung、チョン・モンジュン)氏が30日、国際サッカー連盟(FIFA)の次期会長選挙への出馬の意思を明かし、有力候補とされるミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏をスキャンダルに染まった信頼に値しない愚か者と評した。

 元FIFA副会長で、アジアサッカー界で絶大な権力を誇る鄭氏は、自身を汚職とはかけ離れた候補者と称し、欧州中心ではなく、世界的な視野を持ってFIFAを新たな時代に導くことができると語っている。

 現代(Hyundai)グループの一族である鄭氏は、来週正式にジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の後任に立候補するとしており、会長に選出された場合は4年の任期の一期のみで退くことを約束している。

 ソウル(Seoul)でのインタビューで鄭氏は、「4年でFIFAを真の意味でのスポーツNGO(非営利団体)にするという課題を達成することができると思う。オープンで透明性があり、道徳的で倫理的な真のグローバル組織だ」

「会長室で豪勢な生活を楽しむだけのFIFA会長になりたいのではない」

 63歳の鄭氏は、欧州サッカー連盟(UEFA)会長を務めるプラティニ氏、2011年のFIFA副会長選挙で自身を破ったヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子らに続いて会長候補のリストに名を連ねることになる。

 29日に出馬を表明したプラティニ氏は、FIFAの6連盟うち4連盟から支持を取りつけているとみられており、現時点で会長候補の最右翼とされている。

 FIFAの名声は一連の汚職スキャンダルで地に落ちており、ブラッター会長は再選直後の6月に辞意を表明し、2016年2月26日の次期会長選挙実施を明言している。

―プラティニ氏に対する疑念

 昨年のW杯(2014 World Cup)開幕直前からブラッター政権との対決姿勢を明確にしているプラティニ氏だが、鄭氏はプラティニ氏がこれまでの疑惑に致命的に染まっているとの見解を示している。

「プラティニはサッカーがうまいが、FIFAの会長にふさわしいのだろうか。私はそうは思わない。彼は現在のFIFAシステムの産物なのだから」

「プラティニがFIFAの新時代を象徴しうるか、単なるブラッターの飼い犬ではないかという点においては様々な疑念がある」

「ブラッターとの関係を断ち切ることができると本当に思っているのか、ミシェルに問いただしたい。ブラッターによる全ての不正、汚職、犯罪行為をを白日のもとにさらすことができるのかということだ」

(c)AFP/Giles HEWITT