【7月30日 AFP】米オハイオ(Ohio)州の検察当局は29日、交通違反の取り締まり中に黒人男性を射殺した同州の警官を殺人罪で起訴した。検察側は、怒りによる「無意味な」行為だと呼んでいる。

 起訴されたのはシンシナティ大学(University of Cincinnati)で警備を担当していたレイ・テンシング(Ray Tensing)被告。同被告は当初、今月19日にナンバープレートが付いていない車を止めた際、運転していたサム・デュボーズ(Sam DuBose)さんが車で走り去ろうとして自分を引きずったため、頭を撃ったと捜査当局に証言していた。

 しかし、テンシング被告が身に着けていたボディーカメラの動画から、デュボーズさんの車を取り締まる間、テンシング被告は全く危険な状態にはなかったことが明らかになった。

 同州ハミルトン(Hamilton)郡の検察官は記者らに対し、同被告は「殺人容疑で指名手配されていた人物を相手にしていたわけではない。相手は、ナンバープレートが付いていない車を運転していただけの人物だった」と話し、さらに「テンシング被告がどれだけ速く銃を取り出し、(デュボーズさんの)頭を撃ち抜いたか、信じられないほどだ。1秒くらいかもしれない。信じられない。これほど愚かとは」と述べ、動画を公開した。(c)AFP/Mira OBERMAN