【7月28日 AFP】リビアの裁判所は28日、同国の旧独裁政権を率いた故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の次男セイフイスラム(Seif al-Islam Kadhafi)被告と元側近8人に、2011年の民衆蜂起時に起きた殺人などの罪で、死刑判決を言い渡した。

 死刑が言い渡された被告には、旧カダフィ政権時に情報機関のトップを務めたアブドラ・サヌーシ(Abdullah Senussi)被告や、カダフィ政権最後の首相だったバグダディ・アリ・マハムーディ( Al-Baghdadi al-Mahmudi)被告が含まれる。

 セイフイスラム被告は現在、首都トリポリ(Tripoli)を実効支配する政権と対立する民兵組織によって南西部ジンタン(Zintan)で拘束されているため、裁判所には出廷しなかった。

 セイフイスラム被告を拘束している民兵組織は、国際的な承認を受けている政権に忠誠を誓っているが、この政権は昨年8月、対立関係にある武装組織がトリポリを掌握し、独自の政権を樹立したことにより、同国東部に撤退している。

 昨年4月にトリポリで始まった裁判では、カダフィ政権を転覆させた2011年の民衆蜂起の際に起きた殺人や強姦(ごうかん)の扇動共謀などの罪で37人が起訴され、人権監視団体の批判を浴びている他、戦争犯罪と人道に対する罪の疑いでセイフイスラム被告の身柄引き渡しを要求するオランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)との間で、その裁判権をめぐる対立が続いている。(c)AFP