【7月28日 AFP】インドの核実験で中心的な役割を果たした著名な科学者で、「ミサイル開発の父」と呼ばれたアブドル・カラム(Abdul Kalam)元大統領が27日死去した。83歳だった。病院関係者が明らかにした。

 カラム氏はインド北東部メガラヤ(Meghalaya)州シロン(Shillong)で講演中に倒れ、病院に搬送されたが到着と同時に医師らによって死亡が確認された。病院の院長はAFPに対し「蘇生を試みたがかなわなかった」と述べるにとどまり、詳しい死因については明かさなかった。

 2002~07年に第11代インド大統領を務めたカラム氏の死去を受け、同国政府は慣例にのっとり7日間の国喪を宣言した。

 カラム氏は1931年、南部タミルナド(Tamil Nadu)州沿岸部ラーメシュワラム(Rameswaram)の貧しい船頭の家に生まれ、幼少期は新聞配達をして家計を助けた。政府の防衛研究機関でトップの科学者に上り詰め、ここで40年間、国産兵器の開発に携わり「インドのミサイルの父」と呼ばれた。同国による98年の核実験でも主要な役割を果たした。政権を率いる立場になってからは「庶民の大統領」と親しまれ、退任後も科学分野の講演活動で若い世代との交流を続けていた。(c)AFP