【7月25日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は24日、冥王星の地表を移動する窒素の氷河や、大気に広がる分厚いもやの層の存在を確認したと発表した。

 今回発表された新たな発見の数々は、今月半ばに無人探査機「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」が冥王星に接近した際にもたらされた。

 NASA科学観測本部(Science Mission Directorate)のジョン・グランスフェルド(John Grunsfeld)次長は、「流動する氷、風変わりな地表の化学的特性、連なった山々、広範囲に広がるもやなど、冥王星は実にスリリングな惑星地質学的な多様性を示している」と述べた。

 科学者らは、「トンボー領域(Tombaugh Regio)」と呼ばれる大きなハート形の地形の西半分の近接画像を調査し、氷が地表を削りながら流動している可能性があることを明らかにした。

 NASAは、非公式ながらスプートニク平原(Sputnik Planum)と名付けられたこのトンボ―領域の西側半分の平原では、「地球上の氷河と同様、明らかに氷床が流動した、もしくは今も流動している」と述べている。

 今回の調査の研究者の一人、ジョン・スペンサー(John Spencer)氏は、「このような地表の状態は、地球や火星のように活発な表面活動を起こしている星でしか見たことはない」と話した。(c)AFP