【7月24日 AFP】ブラジルで、4本の足がある新種のヘビの化石を発見したとの研究結果を23日、英独の科学者らが率いる研究チームが発表した。ヘビの祖先が海洋生物ではなく陸上の穴居性動物だったことを示す発見だという。

「テトラポドフィス・アンプレクトゥス(Tetrapodophis amplectus)」と名付けられた新種のヘビの化石はブラジル北東部にある白亜紀初期(1億4600万~1億年前)のクラト層(Crato Formation)で発掘された。4本の足があるヘビの化石が見つかったのは今回が初めて。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文によると、テトラポドフィス・アンプレクトゥスは、獲物を締め付け、丸のみするための柔軟な胴体や顎など、現代のヘビと同じ特徴を多く持っていた。足にはそれぞれ5本の指があり、移動ではなく、獲物や交尾相手をつかむ役目を果たしていたと考えられる。

 さらに、水生動物にみられる長くて平たい尾がないことから、ヘビが海生動物から進化したのではないことが、改めて示されたという。研究チームは、「この非常に興味深い化石は、ヘビがどのように現代へと滑り込むに至ったのかについての手掛かりを与えてくれる」と述べている。(c)AFP