【7月22日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は22日、内戦状態が19か月続いている南スーダンで、政府軍の兵士らが市民を戦車でひき殺し、公衆の面前で集団レイプを行い、人々を生きたまま焼き殺しているとする報告書を発表した。

 HRWは報告書で、南スーダン政府軍の衝撃的な残虐行為を列挙し、戦争犯罪にあたる「民間人に対する意図的な攻撃」が行われていると非難。民間人への攻撃は、政府軍と政府軍側につくヌエル(Nuer)人の一氏族「ブル・ヌエル(Bul Nuer)」の戦闘員が行っていると述べた。

 HRWは戦地と化している北部ユニティ(Unity)州で被害者や目撃者ら174人を対象に行った聞き取り調査の結果として、「子どもや高齢者を含む一般市民の男女が、首つりや銃撃、火あぶり」などによって殺害されていると報告。ある女性は「(政府軍は)人々を戦車で追いかけ、戦車でひいた後、確実に殺すために引き返してもう一度ひいた」と証言し、別の被害者は、政府軍兵士が村から住民を追い出すために、見せしめとして男性と15歳の少年の性器を切断している場面を目撃したと話したという。

 報告書では63件のレイプが報告されているが、HRWは、これは「ほんの一部」に過ぎないだろうと述べ、「事件の中には残忍な集団レイプや、公衆の面前でのレイプ、殺すと脅した上でのレイプなどが含まれている」と報告した。

 被害者の一人は、男に後頭部に銃を突き付けられ、「おまえの娘をレイプする様子を見ろ」と脅され、娘が目の前で強姦される様子を見せつけられた。事が終わると男は、次に年上の娘を強姦したという。