【7月22日 AFP】サッカーアルゼンチン代表で、世界最優秀選手に4度輝いたリオネル・メッシ(Lionel Messi)が、ガボンを訪れ、アフリカネーションズカップ(The Africa Cup of Nations)が行われるスタジアムの起工式に参加したことについて、ガボン政府が多額の報酬を支払ってメッシを呼び寄せた疑惑が浮上している。――しかしガボン側は21日、この疑惑を否定した。

 ガボン当局は声明を発表し、「ガボン共和国は、アルゼンチン代表のリオネル・メッシ選手に対し、金銭を支払ったとされている報道を否定します。報酬を約束したこともありません」とコメントした。

 声明でガボン側は、メッシはアリ・ボンゴ・オンディンバ(Ali Bongo Ondimba)大統領の招待に応じてガボンを訪れたと強調。「大統領とともにポールジャンティ(Port-Gentil)を訪れ、2017年のアフリカネーションズカップで使用される予定のスタジアムに礎石を置きました」と主張している。

 ところが、メッシがガボンでスタジアムの起工式にひげも剃らず、Tシャツにビリビリの短パンという格好で参加したことが、ソーシャルメディアで波紋を呼び、多くのガボン国民が、どれだけ払って呼び寄せたのかと疑問の声を上げている。

 ポールジャンティは経済の中心地で、国も石油の産出で潤うガボンだが、国民の3分の1は、貧困線以下での生活を強いられている。

 さらにそこへ、フランスの有力サッカー週刊誌「フランス・フットボール(France Football)」が20日、メッシは350万ユーロ(約4億7000万円)を受け取っていたと報じ、火に油を注いだ。

■メッシの格好も嘲笑の的に

 メッシは7月4日、コパ・アメリカ(2015 Copa America)決勝で優勝を逃し、延長戦の末にドイツに敗れた2014年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)に続き、またしても大きな失望を味わったばかりだが、さらに今回のガボン訪問が物議を醸している。

 あるツイッター(Twitter)ユーザーは、「お手柄、というかアリ・ボンゴの見事なイメージ戦略?」と疑問を呈し、そこに大統領がハンドルを握り、メッシを助手席に乗せ、混み合うリーブルビルの街でほろを外した高級車を駆る写真を添付した。

 メッシの貧相な格好もフェイスブック(Facebook)で嘲笑の的となっており、一部のユーザーは、南米旅行に行くという設定で、スーツケースを横に、短パンにサンダル、麦わら帽子という格好をしたユーザー自身の写真を投稿している。

 あるユーザーはそこに、「今日はアルゼンチのン大統領がタクシーを運転して、拾いに来てくれるそうです!」とコメントを付けている。

 もう1つ、ソーシャルメディアで拡散しているのが、名作漫画「タンタンのコンゴ探検」の表紙をいじった「タンタンとメッシのガボン探検」の画像。車を運転するタンタンの顔がアリ・ボンゴ大統領に、助手席に座るキャラクターの顔がメッシに差し替えられている。(c)AFP