【7月22日 AFP】元米メジャーリーグ(MLB)のスラッガーで、偽証などの罪に問われていたバリー・ボンズ(Barry Bonds)氏の無罪が確定した。米司法省が21日、上訴を断念した。

 10年以上にわたって続いた泥沼の法廷闘争がついに決着した。ボンズ氏は4月の裁判で有罪が取り消されていたが、連邦検察は1段落しかない文書を裁判所に提出し、最高裁への上訴は断念すると述べた。

 サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)などでプレーしたボンズ氏は、自身の公式ウェブサイトに声明を掲載し、「今回の判断で、ようやく自分にも大きな平穏が訪れた」とコメントした。

「信仰と、たくさんの支援者の助けがあったからこそ、前に進み続けることができた」

 栄養補助食品会社バルコ(Bay Area Laboratory Co-operativeBALCO)社による大規模な薬物投与がスポーツ界を揺るがすなか、個人トレーナーのグレッグ・アンダーソン(Greg Anderson)氏を通じて禁止薬物を使用していた疑惑が持たれたボンズ氏は、連邦大陪審に召喚され、証言を求められた。

 ボンズ氏は大陪審で、ジャイアンツ時代に行っていた「クリーム」や「クリア」といったステロイドの使用について、意図して使ったことはないと証言。これがうその証言にあたるとして、2007年に司法妨害罪と偽証罪で起訴された。

 その後の2011年に行われた裁判では、司法妨害罪でのみ有罪となったものの、そのほかの偽証罪の容疑については、裁判不成立となっていた。そして司法妨害罪についても、今年4月、控訴裁判所が有罪を取り消していた。

 2011年の有罪評決の時点で、ボンズ氏は2年間の保護観察と250時間の社会奉仕、罰金4000ドル、さらに1か月間の自宅謹慎処分を言い渡されている。謹慎については、有罪取り消し前に期間を終えている。

 無罪が確定したことで、ボンズ氏には、野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りの道が今後開ける可能性も出てきた。ボンズ氏は通算762本塁打、2001年に出したシーズン73本塁打のメジャー記録を持っている。

 ボンズ氏は現在51歳。資格を得てから3年が経つが、殿堂入りは果たせていない。(c)AFP