【7月20日 AFP】幹部の汚職が発覚し、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が辞任を表明するなど、かつてない危機に瀕している国際サッカー連盟(FIFA)は20日、臨時理事会を開き、次期会長選の日取りなどを決める予定となっている。

 今回の会合は、ジェフリー・ウェブ(Jeffrey Webb)元副会長の初出廷からわずか2日後に行われる。保釈金1000万ドル(約12億円)を支払って保釈されたウェブ被告は18日、米ニューヨーク(New York)の裁判所に出廷し、収賄の罪を否認した。

 今回の汚職スキャンダルでは、5月にウェブ被告をはじめとするFIFA幹部7人がチューリヒ(Zurich)市内のホテルで逮捕され、マーケティング会社幹部を含めた計14人が、米国で罪に問われている。

 そして、幹部の逮捕から2日後に開催された総会で5選を果たしたブラッター会長は、それから4日と経たないうちに新たな会長選の実施を発表した。

 多方面からスポーツ界を牛耳ってきた79歳のブラッター会長は、20日の理事会終了後に、新たな会長選の日付を発表する予定としている。投票はチューリヒで、2015年12月から2016年2月の間に実施されるとみられている。

 さまざまなインタビューで、あいまいなコメントを繰り返しているブラッター会長には、はっきり辞めると明言するよう、圧力が強まっている。新たな会長選の実施を発表した際も、ブラッター会長は「辞任」という言葉を使っていない。

 FIFAに対しても、早急に改革へ着手するよう求める圧力は強まっている。そのため、ブラッター会長は会長選の日程とともに、会合で提案された改革案についても発表するとみられる。

 数十年にわたって続いた贈収賄が発覚し、さらに2018年と2022年のW杯がそれぞれロシアとカタールに決まった過程についても疑念がくすぶり続けるなか、コカ・コーラ(Coca Cola)やマクドナルド(McDonald's)といったFIFAのトップスポンサーは、抜本的な改革を求めている。

 米上院でも先日、FIFAのスキャンダルが議題に上がった。そこでもまた、FIFAの腐敗の度合いが改めて浮き彫りにされている。