【7月17日 AFP】メキシコの麻薬王「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)受刑者が脱獄した事件で、同国政府は17日、看守らが同受刑者の脱獄に気付いてから独房に駆け付けるまでに18分かかっていたことを明らかにした。

 ミゲル・アンヘル・オソリオ・チョン(Miguel Angel Osorio Chong)内相が議会の治安委員会で説明したところによると、独房内のカメラの映像を監視していた看守らは、11日夜にグスマン受刑者が「いなくなった」ことに気付くと、「直ちに」警鐘を鳴らした。しかし、看守らが実際に独房に到着したのはその18分後だったという。

 グスマン受刑者が独房内のシャワースペースの床に開けられた穴に姿を消してから、看守らが対応に当たるまでに要した時間を当局が明らかにしたのは、今回が初めて。

 同内相によると、検察当局は現在、刑務所の職員らが定められた手順を順守していたかどうかを調べている。また、刑務所の施設は閉鎖され、脱獄に使われたトンネル内部の調査が行われたという。

 政府が今週公開した監視カメラ映像からは、グスマン受刑者が独房内を動き回った後、シャワースペースを区切る低い壁の後ろにしゃがみ込む様子が確認できる。グスマン受刑者はその後、金属製のカート2台でレールに取りつけられたオートバイに乗って1.5キロに及ぶトンネルを抜け、ここ14年で2回目となる脱獄を果たした。(c)AFP/Leticia PINEDA