【7月17日 AFP】国際研究チームは16日、地球温暖化を加速させる主要な温室効果ガスの2014年の観測量が史上最大となり、地表気温も過去135年間で最高点に到達したことを明らかにした。研究チームの報告によると、世界の海が膨張したことがその理由だという。

 調査結果は、世界中の気温、降水量、天気事象に関する年次報告書「気候の状態(State of the Climate)」2014年版に記載されているものだ。同報告書は査読を経て発表された。

 第25回目の刊行となる同報告書には、世界58か国の総勢413人の科学者らが寄稿した。それぞれの研究は、陸上、海上、氷上、宇宙空間に設置された環境モニタリング局と観測装置によって収集されたデータに基づくものとなっている。

 報告書によると、温度の上昇は、海洋の深部や大気の高高度にまで及んでいるとされる。この観測結果を受け、科学者らは、気候変動が産業革命以前の時代より速いペースで進行を続けており、全く終わりが見えないとして警告している。

 米海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric AdministrationNOAA)太平洋海洋環境研究所(Pacific Marine Environmental Laboratory)の海洋学者、グレッグ・ジョンソン(Greg Johnson)氏は「温室効果ガスを現在の水準に凍結できたとしても、海の温度上昇が実際には、数百年~数千年にわたり続くことになるだろう」と指摘しながら、「これは、海水温度が上昇するにつれて海が膨張し、海面の上昇が続くことを意味する」と説明した。

 2014年の観測結果の多くは、過去20年間に見られた傾向と同様のものだった。

 報告書には「二酸化炭素(CO2)、メタン、亜酸化窒素などの、地球の大気中に放出された主要な温室効果ガスについては、2014年の平均大気中濃度がすべて、再び過去最高に到達した」と記され、また年間気温についても、主要地域の中で唯一平均を下回った北米東部を除く全世界で軒並み過去最高を更新したとある。