【7月15日 AFP】2015ツール・ド・フランス(2015 Tour de France)は14日、第10ステージ(タルブからラ・ピエール・サン・マルタン、167キロメートル)が行われ、スカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)がライバルたちを抑えて最初の山岳コースを制し、2度目の大会制覇に向けて大きく前進した。

 2013年大会(2013 Tour de France)覇者フルームのチームメートであるリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)が2位につけ、3位に入ったモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)から、ボーナスタイムを数秒奪ったものの、両選手はフルームと約1分差をつけられてのゴールとなった。

 BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のティジェイ・ヴァン・ガーデレン(Tejay Van Garderen、米国)は、2分30秒遅れでステージ10位に終わったものの、フルームと2分52秒差の総合2位を堅持。3位には、3分9秒差でキンタナが続いている。

 しかしこの日は、アスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)にとっては厳しい一日となり、残り10キロを前に振り落とされると、4分25秒遅れでゴールし、総合では約7分差の10位に後退した。

 ステージ11位だったティンコフ・サクソ(Tinkoff-Saxo)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は、総合6位ながら、フルームに約4分差をつけられている。

 山頂ゴールに向けて始まった残り15キロからの上りでは、昨年好成績を収めていたアージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のジャンクリストフ・ペロー(Jean-Christophe Peraud)とロマン・バルデ(Romain Bardet)、FDJのティボー・ピノ(Thibaut Pinot)のフランス勢も脱落している。

 そんな中、フルームは優勝した2013年のように山岳での勝負強さを見せ、ゴールまで約6.5キロを残してアタックを開始した。

 ニバリとコンタドールはすでに失速していたものの、キンタナは懸命にフルームの背中を追う。

 しかし、キンタナも徐々に差を広げられると、最後はポートにも抜き去られ、ボーナスタイムはフルームが10秒、ポートが6秒、キンタナが4秒となった。

 ヴァン・ガーデレンは、遅れを最小限にとどめて総合での表彰台入りの可能性を残したものの、開幕前に「4強」と称された選手の中で、フルームの快進撃を止めることができるのは、現時点ではおそらくキンタナだけだろう。(c)AFP