バッソの精巣がんが発覚、ツール・ド・フランス棄権へ
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【7月14日 AFP】自転車ロードレースのティンコフ・サクソ(Tinkoff-Saxo)に所属するイヴァン・バッソ(Ivan Basso、イタリア)は13日、精巣がんと診断されたことを明らかにし、現在開催中のツール・ド・フランス(2015 Tour de France)を去ることになった。
ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia)総合優勝2回の実績を誇るバッソは、14日からステージ再開となる今年のツールで、優勝候補の一人に挙げられているアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)をサポートする重要な役割を担っていた。
しかし、37歳のバッソは治療に専念するため、チームを離脱してイタリアに帰国することになった。
大会休息日を迎えた13日、チームが宿泊しているポー(Pau)のホテルでバッソは、「残念ながら、皆さんに悪いニュースを伝える」と切り出した。
「第5ステージで落車したとき、サドルに睾丸をぶつけてしまった」
「数日ほど痛みが続いたので、ツールの担当医とチームの医師が話し合い、病院で特別な検査を受けることになった」
「その結果、悪いニュースが判明した。左の睾丸に小さながんが確認された」
「レースを終えてイタリアに戻らなければならないことはすぐに理解できた。すでにチームの医師がイタリアの専門家と連絡を取り合い、できるだけ早く手術を受けられるよう手配してもらっている」
「2時間前に判明したばかりなので、詳細は話せない。以上だ」
「大会を去らなければならないが、コンタドールがパリ(Paris)でマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を着るために協力したい。そして、この状況で私を支えてくれているチーム及び大会関係者と医療スタッフに感謝を伝えたい」
バッソの一報にはコンタドールも落胆した様子をみせ、今回のニュースは個人としても、そしてチームとしても厳しい結果だったとコメントしている。
「チーム全体にとって、とてもつらい一日になった。こういうことになるなんて、まったく想像していなかった」
「まず、イヴァンに何が起きているのかを調べることが最優先であり、彼を支え、できるだけ早くすべて解決することを願っている」
「イヴァンに対して、チーム全体で支えていきたい。そして、パリで彼にイエロージャージーをもたらすために戦っていく」
「ここ180日間のうち120日間を一緒に過ごし、互いに親睦を深めてきたから本当につらい。でも、絶対にパリで一緒に勝利を祝えると確信している」
一方、ツールに出場するライバルからもコメントが寄せられている。
モビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)は、「チームを代表して、彼の幸運を祈りたい」と述べた。
「このようなことが起きて残念だけれど、これが人生というものであり、彼には私たちの共感と支援がある」
モビスター・チームからはナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)も、「今回のニュースを残念に思っている。これから彼に多くの力を与え、必要なことがあればチームの協力を惜しまない」とコメントした。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN