【7月13日 AFP】スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)を退団し、ポルトガル1部リーグのFCポルト(FC Porto)に移籍することが発表された主将のイケル・カシージャス(Iker Casillas)が12日、記者会見を行い、ポルトの「熱意」が決め手になったと語った。

 愛するクラブで25年間を過ごし、強豪レアルの象徴ともなっていたカシージャスは、移籍の発表から24時間も経たないうちに、報道陣の前に登場した。

 カシージャスは今回、1990年に9歳で下部組織に入団して以来、34歳となる現在までプロとして16シーズンを過ごし、19個のタイトルを獲得してきたクラブを去る決断をしている。

 その理由について、カシージャスは「ポルトに去ると決めたのには、2つの大きな理由がある」と明かした。

「まずホルヘ・ヌーノ・ピント・ダ・コスタ(Jorge Nuno Pinto da Costa)会長、スポーティングディレクターのアンテーロ・エンリケ(Antero Henrique)氏、フレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)監督、そしてチーム全員がみせた熱意だ」

「そして人間として多大な好意を示してくれたこと。それが、僕の将来はポルトガルにあると確信するきっかけになった」

「そうした熱意に心をつかまれた。とても幸せだし、心から満足している」

「彼らをがっかりさせないよう、全力を尽くす。最大限の力を発揮し、新しいチームでできるだけ多くのタイトルを勝ち取りたい」

 レアルは前日11日、「レアル・マドリードとFCポルトは、イケル・カシージャスの移籍で合意した」と愛息の巣立ちを伝えていた。条件は明らかになっていないが、スペインメディアによると、年俸は2年総額1000万ユーロ(約13億5000万円)ほどになるとしている。

 キャリアの大きな転換を迎えた思いを、カシージャスは「25年間、世界最大のクラブのユニホームを守ってきたが、ついにこの日がやってきた。自分のすべてをささげてきたクラブに、お別れを言わなくてはならない」と語っている。

「9歳でここに来て、この白いユニホームをまとったときは、夢のような気持ちだった。レアルはなによりも大きな僕の一部。僕を大人にしてくれたし、敬意や友情、忠誠、そしてなにより、謙虚であることの大切さを教えてくれた」

「みんなのことを忘れるなんて絶対にできないし、それにみんなもご存じのとおり、どこへ行っても僕はこう叫び続ける。『アラ(万歳)・マドリード』」