【7月10日 AFP】来年夏に開催が迫るリオデジャネイロ五輪のセーリング競技会場で環境汚染が深刻な問題で、リオ五輪組織委員会は9日、開幕までの水質浄化は不可能だと認めたうえで、湾内のゴミを取り除く「エコボート隊」を出動させると発表した。

 セーリング競技会場となるブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のグアナバラ湾(Guanabara Bay)は、リオ市内で排出されたゴミや下水が垂れ流しになっており、汚染状態がひどい。有害なバクテリアの発生も報告されており、セーリングの有力選手たちは水質の良い大西洋(Atlantic Ocean)への会場変更を求めている。

 夏季五輪招致にあたってリオデジャネイロ市は、グアナバラ湾の浄化を公約としていた。だが、リオ五輪組織委広報のマリオ・アンドラーダ(Mario Andrada)氏は、公約の遂行は不可能となったと述べたうえで、会場の変更はないと言明。「競技は万全の安全と公正さをもってグアナバラ湾内で行われる」と語った。

 アンドラーダ氏によると、緑色の「エコボート」の部隊が湾内に出動して、競技会場からゴミを取り除くという。

 同氏の説明によれば、組織委では「既にグアナバラ湾の潮の流れを調査し、漂流するゴミの動きを把握済み」なため、セーリング競技範囲にエコボート隊を出動させるという。「どこにゴミがあるかは分かっている。あとは、それを取り除くだけだ」とアンドラーダ氏は自信を示した。(c)AFP/Sebastian Smith