【7月10日 AFP】ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は9日、オーストリアの首都ウィーン(Vienna)で行われている欧米など6か国とイランとの核協議について、欧米側は合意の締結を急ぐつもりはないと述べ、近いうちに「厳しい決断」がなされないならば協議からいったん離れることもあり得るとの見解を示した。

 米議会に合意内容を送付する期限を数時間後に控えたケリー氏は記者団に対し、「極めて大きい問題であるため、急ぐつもりもないし、急がされるつもりもない」と述べた。

 さらに、「われわれがここにいるのは本当に進展していると考えているからだ」としながらも、「永遠に交渉の席に着いているわけにもいかない」と警告。「厳しい決断がなされないなら、このプロセスを終わりにする覚悟がしっかりできている」と話した。

■イラン高官、欧米の「変心」を批判

 一方あるイラン政府高官は同日、欧米側の態度が変化してきていると語った。

 この高官は匿名を条件に、「(相手側の)立場の変化に気が付いている。特に昨夜から…残念ながら多くの争点に関してだ」と明かした。「受け入れ可能なアプローチがあった…しかし考えを変えようと突然意見した人々がいて、これでかなり難しくなっている」

 さらに同高官は、現在行っている協議で確定を目指している今年4月にスイスのローザンヌ(Lausanne)で固まった枠組み合意の一部を見直す動きがあることについても批判した。(c)AFP