【7月9日 AFP】トルコのイスタンブール(Istanbul)で8日夜、タイ当局がウイグル人イスラム教徒約100人を中国に送還したことに抗議するデモ隊が、タイ領事館を襲撃した。地元メディアが9日、報じた。

 中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に暮らすウイグル人は、チュルク語を母語とし、その大半がイスラム教徒。トルコでは、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」に入ってから、ウイグル人らに対する中国当局の扱いに抗議する民族主義的な抗議デモが相次いで起きている。

 トルコの通信社ドーガン(Dogan)によると、領事館への襲撃は、東トルキスタン教育連合(East Turkestan Education Association)を名乗る集団が組織。デモ隊は外の標識を倒し、建物のドアを壊して内部に侵入、家具などを破壊した。また領事館には石が投げられ、掲揚されていたタイ国旗が撤去されたという。襲撃で9人が逮捕された。

 タイ政府は9日、昨年に国内で拘束したウイグル人イスラム教徒の亡命申請者約100人を、中国に送還したと発表。送還されたウイグル人らの身の安全を案じる声が広がっていた。(c)AFP