【7月10日 AFP】2015ツール・ド・フランス(2015 Tour de France)は9日、第6ステージ(アブヴィルからルアーブル、191.5キロメートル)が行われ、エティックス・クイックステップ(Etixx-Quick Step)のトニー・マルティン(Tony Martin、ドイツ)がレース終盤に落車。鎖骨骨折の診断を受け、総合首位のマイヨ・ジョーヌをまといながら大会を棒に振る2人目の選手になった。

 30歳のマルティンは、「鎖骨が折れている。次のステップを検討中だ」とツイッター(Twitter)に投稿し、初期診断を受けてもレース続行の望みを捨てていないように見えた。

 しかし、チームのパトリック・ルフェーブル(Patrick Lefevere)マネジャーは同日、仏ラジオ局ヨーロッパ1(Europe 1)に対し「トニーが金曜日の(第7)ステージに参戦するのは不可能だ」と明かし、ツールをリタイアすることになると話している。

 6日の第3ステージでは、総合首位だったトレック・ファクトリー・レーシング(Trek Factory Racing)のファビアン・カンチェラーラ(Fabian Cancellara、スイス)が落車に巻き込まれ、脊椎を骨折していた。

 チームメートのズデネク・シュティバル(Zdenek Stybar、チェコ)が優勝を飾ったこのステージの終盤、マルティンの前輪が、チーム・ユーロップカー(Team Europcar)のブリアン・コカール(Bryan Coquard)の後輪に接触し、バランスを失ったとみられている。

 マルティンは、チーム・ジャイアント・アルペシン(Team Giant-Alpecin)のワレン・バルギル(Warren Barguil、フランス)に衝突すると、両選手がアスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)を巻き込んだ。

 3選手が落車する中、スカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)やモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)も混乱に巻き込まれている。

 マルティンは、地面に横たわりながらしばらく肩を押さえていたが、おそるおそる自転車にまたがると、チームメートに支えられながらゴールした。

 ルフェーブルマネジャーは、マルティンがゴールした直後、AFPに対して「鎖骨が折れていてもレースできる時代があったが、もはやあり得ない」と最悪の事態を予想するコメントをしていた。

「ゴールラインに来たとき、自分でペダルをこぐことができず、チームメートに支えられている姿を見たときに(鎖骨が折れていることを)理解した」

 総合首位のイエロージャージーは、第7ステージでスカイのフルームの手に渡るとみられる。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN