【7月8日 AFP】(一部更新)大韓航空(Korean Air)の前副社長、趙顕娥(チョ・ヒョナ、Cho Hyun-Ah)被告が自社の旅客機内で受けたサービスに激怒して離陸を遅らせた「ナッツ事件」で、旅客機から降ろされた客室サービス責任者のパク・チャンジン(Park Chang-Jin)氏が、同国の政府機関から労働災害(労災)の認定を受けたことが分かった。当局者が8日、明らかにした。

 パク氏は事件後にうつと不眠症を患ったとして、韓国の勤労福祉公団(Korea Workers' Compensation and Welfare Service)に労災を申請していた。パク氏は事件以降、有給休暇中だが、労災認定により医療費や賃金損失分の補償を受けられることになる。

 昨年12月5日、大韓航空の会長の長女で当時副社長だった趙被告は、米ニューヨーク(New York)から韓国ソウル(Seoul)へ向けて飛び立とうとしていた自社の機内で、マカダミアナッツを器に入れず袋のまま提供されたことに激高し、責任者のパク氏を呼びつけて厳しく叱責、滑走路へ移動中だった機体をターミナルに引き返させるよう機長に命令した。

 パク氏は、趙被告によってひざまずかせられ、フライトマニュアルで数回突かれたと話している。さらに趙被告は、旅客機がターミナルに引き返した際、旅客機から降りるようパク氏に命じた。

 パク氏は、趙被告から虐待を受けたとして、大韓航空に5000万ドル(約61億円)の損害賠償を求める訴訟を米国で起こす準備を進めていると伝えられている。(c)AFP