■「屈辱の歴史」

 新華社通信はまた、中国メディアを所管する機関の幹部の発言として、こうした政府の活動は、「中国人が歩んできた勝利に至るまでの厳しい道のりについて説明するもの」で、中国共産党が戦争において果たした「中心的な役割を強調する」ことが狙いだと報じている。

 中国政府は、1949年に成立した中国共産党の主導の下、同国は19世紀のアヘン戦争までさかのぼる国外勢力との戦いで味わった屈辱をついに克服することができたと強調する。

 しかし一部の専門家からは、自国の政治体制を正当化するための重要な要素として、この事件における「被害者」という立場を中国政府が巧みに利用しているとの声も聞かれる。

 豪シドニー大学(University of Sydney)のケリー・ブラウン(Kerry Brown)教授は、中国が「国民との結束とつながり」を実現するために「屈辱の歴史」を利用していると指摘。「強国としての地位を取り戻し、世界中で尊敬され、高い評価を受けることのできる国家」を目指すという「中国の夢」構想を掲げる習近平(Xi Jinping)国家主席にとって、歴史を利用することは特に重要だと説明している。(c)AFP/Neil CONNOR