【7月5日 AFP】2012年ロンドン五輪の陸上男子4×100メートルリレーで、米国の失格により繰り上げとなったフランス代表チームが4日、銅メダルを授与された。

 3年前の大会で、米国はウサイン・ボルト(Usain Bolt)を擁して世界新記録となる36秒84を記録し、金メダルを獲得したジャマイカに次いで2位に入っていたが、タイソン・ゲイ(Tyson Gay)の薬物違反によって失格処分となっていた。

 2013年、2回の抜き打ち検査で禁止薬物の陽性反応が出たゲイは、同年6月に違反を認め、1年間の出場停止処分を受けいれた。五輪のメダルについても、すでに返還を済ませている。

 2007年には世界選手権で3冠を達成したゲイは、禁止薬物を使用し始めた2012年7月15日以降のすべての結果が無効となることを受け入れており、その日以降に手に入れた賞金もすべて没収された。

 ロンドン五輪の米国チームは、禁止薬物使用で二度処分を下された経験があるジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)のほか、トレル・キモンズ(Trell Kimmons)、ライアン・ベイリー(Ryan Bailey)、そして予選走者のジェフ・デンプス(Jeff Demps)とダービス・パットン(Darvis Patton)で構成されていた。

 米国が失格となった結果、同大会で3位に入っていたトリニダード・トバゴ、100分の4秒差でメダルを逃していたフランスが、それぞれ繰り上がって銀メダル、銅メダルを与えられることになった。

 新たな銀メダリストとなったのは、トリニダード・トバゴのリチャード・トンプソン(Richard Thompson)、マーク・バーンズ(Marc Burns)、エマヌエル・カランダー(Emmanuel Callender)、キーストン・ブレドマン(Keston Bledman)。

 フランスのクリストフ・ルメートル(Christophe Lemaitre)、ピエール・アレクシス・ペソノ(Pierre-Alexis Pessonneaux)、ロナルド・ポニョン(Ronald Pognon)、ジミー・ヴィコ(Jimmy Vicaut)には、銅メダルが与えられることとなった。

 そして授賞式がこの日、ダイヤモンドリーグの第8戦が行われたパリ(Paris)のスタッド・ド・フランス(Stade de France)で行われた。ビートルズ(The Beatles)の「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」が流れるなか、4人はロンドンタクシー(London Taxi)で表彰台へ乗りつけ、簡素な形でメダルを授与された。

 しかし、4人はメダルを長く手元にとどめておくことはできない。4人がこの日受け取ったのは名前が刻まれる前の状態のもので、この後国際オリンピック委員会(IOC)へ送られた後、名前が刻み込まれた正式なメダルが届く。

 また、米国の失格で銀メダルへ繰り上げられたトリニダード・トバゴも、まだ銅メダルの返却を終えていない。(c)AFP