【7月5日 AFP】北アフリカのチュニジアで先月26日に発生し、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が犯行声明を出したリゾート襲撃事件を受け、ベジ・カイドセブシ(Beji Caid Essebsi)大統領は4日、同国が「特殊な種類の戦争」に直面しているとして非常事態宣言を発令した。

 ポートエルカンタウィ(Port El Kantaoui)のビーチで外国人観光客38人が死亡する襲撃事件が発生した後、チュニジアにいた観光客は一斉に出国した。同国政府は、リゾート襲撃事件に関して、警察の出動が遅れるなど治安上の不手際があったことを認めた。

 カイドセブシ大統領はテレビ放映された演説で、国会議長、首相と協議した結果、4日から30日間を非常事態と宣言することを決定したと述べた。チュニジアは、2011年の民衆蜂起によってジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領が追放された後、2014年3月まで、警察と陸軍に特権を与える非常事態宣言下にあった。

 一方、民衆蜂起後のチュニジアでは、イスラム過激派による攻撃が頻発しており、これまでに警察や兵士数十人が死亡している。

 リゾート襲撃事件は、過去3ヵ月間にチュニジアで起きた2度目のイスラム過激派による襲撃事件だった。3月18日には首都チュニス(Tunis)で、観光客21人と警官1人が死亡した国立バルドー博物館(National Bardo Museum)襲撃事件が起きている。(c)AFP