【7月4日 AFP】(一部更新)太陽エネルギーのみでの世界一周飛行に挑戦中の次世代ソーラー飛行機「ソーラー・インパルス2(Solar Impulse 2Si2)」が3日早朝(日本時間4日未明)、歴史的な太平洋横断を完了し、米ハワイ(Hawaii)州オアフ(Oahu)島のカラエロア空港(Kalaeloa Airport)に無事着陸した。

 元スイス空軍のベテラン飛行士、アンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)氏が操縦する同機は、日本からハワイまで118時間、約5日間かけて、世界一周飛行でも最も危険な区間をクリア。グリニッジ標準時(GMT)3日午後4時(日本時間4日午前1時)にハワイに到着した。

 ボルシュベルク氏は着陸後、マイクロブログのツイッター(Twitter)に「たった今、ソーラー・インパルスと一緒にハワイに着いた!私とベルトランド・ピカール(Bertrand Piccard)氏にとって、これは夢の実現だ」と誇らしげに投稿した。

 今回の世界一周飛行プロジェクトでは全航程を13区間に分け、ボルシュベルク氏とピカール氏が交替で操縦している。8区間目となる日本・名古屋(Nagoya)~ハワイ間(約6500キロ)は、ボルシュベルグ氏が1人で操縦を担当。ソーラー飛行機による飛行距離と飛行時間、および単独飛行時間の世界最長記録を樹立した。

 4日と22時間に及ぶ飛行中、ボルシュベルク氏は20分間の短い睡眠を繰り返して休息を取った。高度9000メートル超の上空を飛ぶコックピット内は与圧されておらず、ボルシュベルク氏は気温の大きな変動に耐えつつ酸素を吸入しながら飛行を続けたという。

 ソーラー・インパルス2の次の中継地は、ハワイから約4700キロ離れた米アリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)で、ピカール氏が操縦を担当する。今後、米本土を横断し、来年3月にスタート地点のアブダビ(Abu Dhabi)帰還を目指す。(c)AFP/Eugene Tanner