【7月1日 AFP】チュニジア北部スース(Sousse)近郊のリゾート地で外国人観光客など38人が犠牲になった銃撃事件についてチュニジア当局は6月30日、実行犯はリビアで銃撃の訓練を受けていたと明らかにした。

 事件は先月26日、ポートエルカンタウィ(Port el Kantaoui)の五つ星ホテル「リウ・インペリアル・マルハバ(Hotel Riu Imperial Marhaba)」前のビーチで、チュニジア人学生セイフッディン・レズギ(Seifeddine Rezgui)容疑者(23)が観光客らに向けてカラシニコフ(Kalashnikov)自動小銃を乱射したもの。レズギ容疑者は現場で射殺された。

 チュニジア内務省のラフィク・シェリー(Rafik Chelli)次官(治安問題担当)は、レズギ容疑者は今年3月に首都チュニス(Tunis)の国立バルドー博物館(National Bardo Museum)が武装集団に襲われ外国人観光客ら22人が死亡した事件の容疑者2人と同時期にリビアのトリポリ(Tripoli)の西に位置するサブラタ(Sabratha)に滞在していたとAFPに語った。

 サブラタにはリビアのイスラム過激派組織「アンサール・アルシャリーア(Ansar al-Sharia)」が運営する訓練キャンプがある。チュニジア人の若者を訓練するキャンプはここだけだという。

■「備えが不十分だった」と大統領

 一方、チュニジアのベジ・カイドセブシ(Beji Caid Essebsi)大統領は6月30日、仏ラジオ局ヨーロッパ1(Europe 1)のインタビューで、チュニスの博物館襲撃を受けイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」中は各地で警備を強化していたが、ビーチが襲撃されるとは全く想定していなかったと述べ、ポートエルカンタウィでの警備が不十分だっことを認めた。

 イラクとシリアの広い範囲を掌握するイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は、ポートエルカンタウィとチュニスの博物館の両方の事件で犯行声明を出している。(c)AFP/Ines Bel Aiba