【7月1日 AFP】中国の李克強(Li Keqiang)首相は6月30日、訪問先のフランスで、長く待たれてきた同国の温室効果ガス排出量削減目標を発表した。また李首相の訪仏に合わせて、中国企業が欧州航空機大手エアバス(Airbus)と180億ドル(約2兆2000億円)規模の契約に調印した。

 フランスは李首相を盛大に歓迎した。世界第2位の経済大国である中国との経済協力関係を強化したい狙いがあり、李首相の3日間の滞在中に約50の事業契約が調印される見通しとなっている。

 そのうち最初に調印にこぎ着けた一つがエアバスとの契約で、中国側がA330型機を75機購入することが決まった。うち45機は確定で、残る30機はオプション契約となっており、その総額が180億ドルに達する見込みとなっている。

 一方、李首相は、待望されていた中国の温暖化ガス排出削減目標を発表する場所として、今年12月に国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第21回締約国会議(COP21)が開催されるパリ(Paris)を選んだ。COP21は気候変動を抑制するための世界的な条約の締結を目指している。

 李首相が訪仏1日目にフランソワ・オランド(Francois Hollande )仏大統領と昼食を共にした際、中国首相府は声明で、「中国は二酸化炭素排出量を2030年ごろまでに減少に転じさせたい方針で、その目標達成の時期を早められるよう努力していく」と発表した。

 さらに中国は2030年までに、国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素排出量を2005年比で60~65%減らすとともに、1次エネルギー消費における非化石燃料の比率を約20%にまで引き上げるという目標も提示した。

 仏大統領府はこれを、中国のCOP21に対する支持と信頼を示すものだとして歓迎した。(c)AFP/Fran BLANDY