【6月30日 AFP】インドの首都ニューデリー(New Delhi)にある同国で最も警備態勢が厳戒な刑務所から、受刑者2人が塀をよじ登り、さらに外壁の下にトンネルを掘って脱獄していたことが分かった。このうち1人は28日に再逮捕され、取り調べを受けている。

 29日の報道や当局の情報によると、2人は週末、アジア最大のティハール(Tihar)刑務所から脱走した。脱獄を入念に計画していたとみられ、当局は現在も情報をつなぎ合わせている。

 2人の名前はファイザン(Faizan)受刑者とジャブド(Javed)受刑者としか明らかにされていない。共に強盗罪での裁判がこれから始まるところだった。

「2人が脱獄したのは27日か28日。どうやって脱獄したのか、これから調査する。現時点で2人がいつ、どうやって脱獄したのかを話すのは時期尚早だ」と、ティハール刑務所の幹部はAFPに答えた。

 インド紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)など現地メディアによれば、看守は点呼に2人が現れなかった28日に警報を発した。2人は、塀をよじ登って別の敷地内に抜け、さらに外壁の下を掘って排水溝の中をはって通り、脱走したという。

 ティハール刑務所には武装勢力の幹部やマフィア、ギャング、常習犯が収容されている。しかし最大収容人数6250人のところ、2013年末には1万3500人以上が収容され、著しく過密状態だった。

 また今月初めには、インド国家人権委員会がティハール刑務所当局に対し、刑務所を仕切っている有力な一味によって1か月だけで18人の受刑者が殺害されていたとする報道について、説明するよう要請していた。(c)AFP