チュニジアのリゾート襲撃事件、「多数の容疑者」を逮捕
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【6月30日 AFP】チュニジア政府は29日、スース(Sousse)郊外のビーチリゾートで38人が殺害された今月26日の襲撃事件で初めて容疑者を逮捕したと明らかにした。
同国のモハメド・ナジェム・ガルサッリ(Mohamed Najem Gharsalli)内相は、当局が「このテロ犯罪者の背後にあるネットワークから多数の人物」を逮捕したと発表。ガルサッリ内相は、学生のセイフッディン・レズギ(Seifeddine Rezgui)容疑者(23)と特定された実行犯を「物資や資金面で支援した人物」は全員逮捕すると警告した。
この事件でチュニジアの基幹産業である観光業が壊滅的な打撃を受けるという懸念が広がる中、29日には英独仏の内相が事件現場を訪れ、イスラム過激派によるものとしてはチュニジア史上最悪規模となったこの事件の犠牲者を追悼した。
事件の現場を訪れたテリーザ・メイ(Theresa May)英内相は、「テロリストに勝利はない」と明言。独仏およびチュニジアの内相らと共にビーチに追悼の花輪を手向けたメイ氏は、国籍を理由に英国人が標的になったことを示す証拠はないとしている。
これに先立ちデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相の報道官は、英国籍の犠牲者のうち18人の身元が特定され、英国人の死者は最終的に「約30人」に上る恐れがあると伝えた。
この襲撃事件についてはイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が犯行声明を出している。英国にとっては2005年ロンドン(London)同時爆破テロ以降としては最も多い犠牲者を出した事件となった。
チュニジア政府によると、犠牲者のうち25人の身元が確認された。うちアイルランド人が3人、ドイツ人が2人、ベルギー人が1人、ポルトガル人が1人、ロシア人が1人だという。また負傷者は39人で、うち25人が英国人だとしている。(c)AFP/Camille Bouissou