【6月26日 AFP】陸上短距離の世界記録保持者のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)は25日、国内選手権の100メートルへの出場を取りやめたことを発表した。

 五輪の100メートルと200メートルで2大会連続となる金メダルを獲得しているボルトは、大会直前に参加を申し込んでいたが、開幕日の朝、出場取りやめを発表した。理由は明らかにしていない。

 ボルトが次に参加を予定している大会は、7月4日にパリ(Paris)で開催されるダイヤモンドリーグ第8戦となっている。

 ボルトは今シーズン前半、思うようなタイムが残せず、最高レベルで戦える状態にないのではと疑問の声が上がっていた。

 とくに2週間前に行われたダイヤモンドリーグのニューヨーク大会(adidas Grand Prix)では、出場した200メートルで20秒29に終わり、ボルト本人がその場で、キングストン(Kingston)で行われる国内選手権に出場し、復調に向けた調整を行う可能性を示唆していた。

 国内選手権は、8月に北京(Beijing)で行われる第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の選考会を兼ねているが、ボルトはすでにジャマイカ代表入りが内定しており、出場義務はない。

 ボルトは前回大会で100メートルと200メートルを制しており、2012年のロンドン五輪、「鳥の巣(Bird's Nest)」で行われた2008年の北京五輪でも同種目の金メダルを獲得している。

 しかし、今季のボルトは100メートルで10秒を、200メートルで20秒を切れていない。そのため、26日に行われる国内選手権の100メートル決勝では、シーズンベストの9秒84を記録しているアサファ・パウエル(Asafa Powell)が優勝候補と目されている。

 ボルトは以前から、2016年のリオデジャネイロ夏季五輪で史上初となる100メートルと200メートルの3大会連続2冠を達成し、2017年にキャリアを終える予定だと述べている。(c)AFP