安価な合成麻薬「フラッカ」、低所得層にまん延 米フロリダ州
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【6月26日 AFP】麻薬としては破格の安さで手に入る上、使用者を死に至らしめることもある強力な合成麻薬が米フロリダ(Florida)州で急速にまん延し、数十人が死亡する事態となっている。
この薬物「α(アルファ)-PVP」は「フラッカ」や「グラベル(砂利)」とも呼ばれる。摂取した男性が、幻覚で見たイヌから逃げようと裸で街路を疾走するというシュールで痛ましい事例も発生している。
その安さゆえに「5ドル(約600円)の狂気」とも呼ばれるフラッカは中国で製造されており、化学的には危険ドラッグと似ている。
フロリダ州南部、マイアミ(Miami)のすぐ北に位置する観光地、ブロワード(Broward)郡はフラッカによる薬物汚染がとりわけ深刻な地域だ。
フラッカはインターネットを通じて1キロ当たり1500ドル(約18万5000円)で購入できる。コカインの15分の1以下の値段だ。
州当局が今月発表したブロワード郡での麻薬乱用についての報告書によると、中国から少量ずつ郵送されたフラッカを麻薬ディーラーが分配している。複数の中国企業がフラッカを自宅へ直接送り届けるとインターネット上で公然と宣伝している。