【6月24日 AFP】米国の情報機関がフランスの歴代大統領3人の電話通信を傍受していた疑惑をめぐり、仏大統領府は24日、「安全保障を脅かすいかなる行為も容認しない」と表明した。

 この疑惑は、米当局が2006年から12年にかけ、ジャック・シラク(Jacques Chirac)元大統領、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)前大統領、フランソワ・オランド(Francois Hollande)現大統領の通信を傍受していたというもの。内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が23日夜に公開した、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)による報告書を含む「最高機密」文書から明らかとなった。

 オランド大統領はこれを受け、閣僚と情報機関トップらによる国防会議を招集。仏大統領府は会議後の声明で、2013年末に米国が仏首脳の盗聴をしないと約束したことに言及し、「米当局は誓約をした」と指摘。「(それらの誓いは)忘れられることなく、厳格に順守されなければならない」と述べた。

 また、ステファヌ・ルフォル(Stephane Le Foll)仏政府報道官は「(首脳の盗聴は)同盟国間では受け入れられないことだ」と語った。さらに外交筋がAFPに語ったところによると、ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相は、ジェーン・ハートリー(Jane Hartley)駐仏米大使を24日午後に外務省に呼び、ウィキリークスが公開した文書について協議する予定だ。

 一方、米国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)のネッド・プライス(Ned Price)報道官は、「われわれはオランド大統領の通信を標的にはしていないし、今後もしない」と述べた一方、過去に盗聴が行われていたかについては触れなかった。(c)AFP