【6月24日 AFP】オーストラリア南東部沖のバス海峡(Bass Strait)で、トロール漁を行っていた漁師らが偶然、全長6.3メートルもある巨大なウバザメを捕獲した。

 ウバザメはジンベエザメに次いで地球上で2番目に大きな魚類だが、呼吸のために水面に浮上する必要がないため発見されることはまれで、その生態はあまり分かっていない。今回の発見は、科学者にとって貴重な機会となった。

 捕獲されたウバザメは、オーストラリア南部メルボルン(Melbourne)にあるビクトリア博物館(Museum Victoria)に寄贈された。同館の科学者らは今後、組織サンプルや胃の内容物、脊椎を調べ、遺伝的特徴や食生活、生活史を研究する予定だ。

 プランクトンを餌にし、ゆっくり遊泳するウバザメは、最大12メートルにまで成長する。他のサメとは異なり歯の長さは約2ミリと非常に短く、巨大な口でプランクトンやクラゲを捕食する。

 ビクトリア博物館によれば、ウバザメの生態は北半球ではより研究が進んでいるが、南半球ではほとんど解明されていない。ビクトリア博物館がウバザメを扱ったのは過去160年でわずか3例しかないという。(c)AFP