■素晴らしい知らせ

 ロゼッタ計画の科学者マット・テイラー(Matt Taylor)氏は、同ミッションの延長は「素晴らしい知らせだ」と話す。「再び太陽から離れるにつれて、彗星活動の低下を観測できる。比類のないデータをさらに多く収集し続けるために、彗星のさらに近くまで飛行する機会が得られるだろう。また、太陽に接近する『前と後』の詳細なデータを比較することにより、彗星が寿命中にどのように進化するかに関する理解が深まるに違いない」

 ロゼッタ・ミッションへの名目上の資金供給は2015年12月までとされていたため、今回の延長はまったくの想定外というわけではない。

 2016年9月末までに「67P彗星が再び太陽から遠く離れるにつれ、ロゼッタに搭載された一連の科学実験機器を効果的に機能させるための十分な電力を太陽光発電からは得られなくなるだろう」とESAは説明する。

 延長の見通しとしてESAは、2016年9月末までに「67P彗星が再び太陽から遠く離れるにつれ、ロゼッタに搭載された一連の科学実験機器を効果的に機能させるための十分な電力を太陽光発電から得ることは難しくなるだろう」と指摘。「(この)時点で、ロゼッタを67Pの表面に着陸させる可能性は非常に高い」と付け加えた。

 しかし、フィラエとは異なり、ロゼッタは着陸をするための設計にはなっていない。そのため、彗星表面の接近画像を撮影するため、推進燃料を最後の一滴まで使い、約3か月かけてらせん状に降下させる構想が練られているという。

 ミッション・マネジャーのパトリック・マーティン(Patrick Martin)氏は「ただ、ミッション終了のシナリオが実行可能であることを確認するためには、まだやらなければならないことが数多く残っている」と注意を促す。

「近日点通過後のロゼッタの状態と、彗星の近くでどれほどの性能を発揮できるかをまず確認する必要がある。その後、彗星表面上のどこに着陸可能かを判断しなければならない」とあくまで慎重な姿勢であることもうかがえた。(c)AFP/Richard INGHAM